バロック大崎利幸の小林賢太郎愛

Making Design 大崎利幸
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演劇やお笑いが好きな大崎さんに、独自の構成力を持つコント師『ラーメンズ』の魅力を語っていただいた。

「以前はお笑いコンビとして名前を知っていた程度だったけれど、当時の取引先の担当の方から『ラーメンズ』を勧められてDVDを貸していただき、それを観た瞬間に衝撃を受けてそこからファンになりました。」2020年、メンバーの小林賢太郎さんの芸能界引退によりコンビでの活動を終了した、ラーメンズ。シュールな世界観・計算し尽くされたストーリー・巧妙に張り巡らされた複線など『お笑いと演劇の中間』とも称される独特なコントを生み出してきたラーメンズの魅力について、大崎さんにお話していただきました。

枠にハマらないオリジナルな構成で予想をくつがえされる展開が面白い。

「漫才はしゃべくりで設定をイメージさせるのに対し、コントは衣装や大道具・小道具などで設定を見せるものです。ところがラーメンズの場合、衣装は黒コーデでセットも黒バックなど、コント特有のものである設定を隠すというのが大きな特徴だと思います。」

「ラーメンズのコントは基本的に1本のネタが長く、舞台を観に行ってもタイトルも出ず設定を明らかにしてくれないので、2人の掛け合いから観客側が探っていくという見方になるんです。自己啓発セミナーの設定なのかと思えば、実は万引き犯の設定だったなど、毎回予想をくつがえされる展開になるのが面白い。予想外の展開から強引にオチに持っていくのではなく、万引き犯の言うことに被害者の店員が共感するところなど、関係性を見せられる会話劇なんです。」なるほど、それが『お笑いと演劇の中間』と称されるゆえんなのですね。

「子供の頃から観ていた新喜劇やドリフのような理解しやすい面白さとは違い、こちらが読み取っていく形でのお笑いというものに衝撃を受けました。」確かにわかりにくい設定から笑いに持っていかれるというのは、観ている側もどこでオチがくるのか身構えてしまいます。笑いにくい状況からのスタートというものには、独自の世界観があるのでしょう。

コントなのにショートムービーを観た満足。

「ラーメンズには馬鹿馬鹿しいネタもあれば、笑いがなくシリアスでちょっと怖いっていうシュールなネタもあって、ものすごく幅広いんです。」

「コントなんだけれどサスペンス要素があったり演出で考えさせられたりする構成なので、映画や演劇を見に行った後のような満足感を得られます。本当に映画や演劇に近いなと思っています。ショートムービーを見た感じです。元から大人計画など、笑いの中でもいろいろな問題を考えさせられるような演劇が好きなので、ラーメンズのコントは自分にはとてもハマりました。」

仕事での提案でも、意外性や良い意味での裏切るような構成を入れていきたい。

「枠にハマらないラーメンズのオリジナルな構成のように、仕事での提案でも意外性や良い意味で相手を裏切るような要素を入れていきたいと思って、参考にしています。」 ラーメンズから受ける影響は、大崎さんの仕事の進め方にも繋がっているようです。

「仕事でキャッチコピーを出したときに、よく韻を踏んでいるねと指摘されるのですが、ついつい口に出したくなるようなリズムをつけてしまうんです。まあ、いわゆるオヤジギャクなんですけどもね(笑)」「例を挙げると、うなぎの日のセール告知の際も、店内にある商品から『う』が付くものを探し出したりと言葉遊びをしてしまいます。意識的なのか無意識的なのかわからないですが、これもラーメンズの影響かもしれません(笑)」と、言葉遊びの部分でも影響を受けているみたいです。

「子供の頃、国語の点数は良くなかったのですが『アナグラム』などの雑学は好きだったんです。そういったものも、小林賢太郎さんは取り入れてくるんです。そこにもツボを突かれました。」

「ラーメンズには物事の見方や考え方、想像力の膨らませ方に通じるところがあって、またそういったデータの積み重ねを自分の仕事にも落とし込んでいきたいです。」
そんなラーメンズを研究している論文もあるのだそうです。
コント師・ラーメンズの奥深い魅力を教えていただき、早速ネタを視聴してみたいなと感じさせられました!
大崎さんの言葉遊びやその他の視点などが気になった方は、ぜひMyAntennaをチェックしてくださいませ。

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